眠りのための総合情報サイト
四月の終わり、村瀬直人(45歳)は書斎の窓辺で、静かに雨の音を聞いていた。
四月の夜、東京の片隅にある小さなバー「L’équinoxe」の扉を開くと微かに柑橘と煙の香りが混ざる空気が、ゆるやかに迎え入れた。
ニューヨークの空は、雨を含んだ淡い夕暮れに染まっていた。
春は、音のない季節だった。
春の風がやさしく吹くころ、小さな村のはずれに住むツバキは、一つの花束を作っていた。
昔々、山深い村に「立春山」と呼ばれる峠がありました。